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JOURNAL

土鍋で炊く、ごはんのおいしさ

By 2024/10/31No Comments

収穫の秋。お米がひと際美味しいこの季節、”ごはん”が主役の食卓にしてみませんか?Homelandの炊飯土鍋は、無駄のないシンプルなフォルム。コンパクトで扱いやすく、お米をふっくら艶やかに炊くことのできる台所道具です。素材の美味しさを存分に引き出す土鍋の魅力を、今回はご紹介します。

土鍋の産地、信楽

土鍋を作ってくださっているのは、滋賀県・信楽に工場を構える窯元「松庄」です。松庄は1970年に陶器の製造をはじめ、伝統を守りながらも、時代のニーズに合わせて多種多様な陶器を世に送り出してきました。

信楽地域一帯は約400万年前、琵琶湖の底であったため、堆肥物を多く含んだ、可塑性に優れた(土同士がしっかりと繋ぎ合わさり、形を保つ力が強いこと)土の地質を持っています。その土の特性を活かして作られているのがこの土鍋です。実は今、直接火にかける土鍋を製造する際に欠かせない、高温に耐える鉱物「ペタライト」の入手が困難になっており、土鍋自体が大変貴重なものになってきています。

使い込むことで変化する土鍋の風合い

Homelandの炊飯土鍋は、緋色と飴色の2色展開です。信楽の伝統的なスカーレット色である緋色は、古琵琶湖層の土を練って作り、松の木をくべて火を起こし焼くことで生まれた独特の褐色のことを指します。現代の釉薬を用いて、熟練の技術者が窯の中での火の動きをも考慮しながら巧みに再現した、土鍋では珍しい色です。

深い黒と茶の間の様な絶妙な飴色は、艶やかで品のある釉薬を使って焼き上げた信楽焼では定番の色です。

どちらの色も、日々、火に晒されることで底面から少しずつ風合いが変化していきます。表情の変化も、使い込む楽しみの一つです。サイズは1-2合炊き、3-4合炊きの2種類をご用意しています。

美味しいお米の炊き方

初めて土鍋でお米を炊く方でも、美味しく炊ける手順をご紹介します。今回は白米を3合炊く際の分量です。

  1. お米をザルへ入れて洗い、30分〜1時間ほど浸水します。
  2. お米3合(1合180ccとして、3合は540cc)に対して、お水を1〜1.2の分量、540〜600cc入れます。お水の加減は、お好みのお米の固さに合わせて調節します。
  3. 土鍋をコンロに置き、強火にかけます。8〜10分ほどで、蓋から噴き出してきたら最弱火にし、5分で火を止めます。
  4. 火を止めたら、10分〜20分蒸らします。

慣れてしまえば、炊飯器よりも早く炊けると、その便利さにも虜になる方が多い炊飯土鍋です。白米だけではなく、玄米もふっくら炊き上げてくれます。蓋を開けて、炊きたてのご飯が湯気を立てている姿はなんとも幸せな光景です。

なぜ、土鍋で炊くと美味しいのでしょう?

土鍋で炊くご飯が美味しい理由を知りたいと、質問されることがあります。1つ目の理由は、土鍋の材質にあります。熱伝導が緩やかで、同時に温度が冷めにくい点です。お米を美味しくする酵素が澱粉を分解していくのに丁度良い温度帯、40℃から50℃の間を緩やかに保ってくれるために、お米がより甘くこくが出てくるのでしょう。いったん温まると冷めにくいのが土鍋の特徴です。沸騰したのちに弱火に切り替えても、高温を保ち沸騰状態を長時間キープすることができます。この時、お米に満遍なく火が入り、均一な硬さと膨らみで仕上がります。火を止めて蒸らしている間が重要なのはそのためです。高温をキープしながら、余計な水分は飛んでいき、一粒ひと粒がピッと立ち上がった美しい炊きあがりになります。2つ目に、土鍋が持つ遠赤外線効果があげられます。熱することで発する遠赤外線は、土鍋の壁面から中央に向かって発せられます。これによって緩やかに米の中の酵素が活性化され、中までふっくらとしたお米になります。冷めても美味しく感じるのは、米ひと粒の中に、熱がしっかりと入り、適度な水分が保たれるためでしょう。炊き上がったら全体を軽くほぐして、土鍋の中で保温しておくと良いでしょう。

丸みのあるコロンとしたフォルムに、土の温かみを感じる緋色と飴色。内蓋や取手をなくすことで極力シンプルに仕上げた炊飯土鍋は、多様な生活スタイルの台所や食卓にそっと寄り添ってくれる、優しい存在です。米を研ぐ時の水の涼しさ、火を使って米を炊く時の暖かさ、季節の移ろいを台所仕事と共に、感じて、食べることを一層楽しんでもらいたいと、私たちは思います。