松庄
滋賀県・信楽
滋賀県甲賀市信楽町にある陶器製造窯元。現在の代表は八代目庄左ヱ門。信楽地域一帯は、約400万年前琵琶湖の底(古琵琶湖層)であったため、可塑性に優れた(堆肥物が多く含んだ)土の地層を持つことから、鎌倉時代から窯元地域として盛んに焼き物が製造されてきました。松庄では時代の変化とともに、ガス窯を取り入れながら歴史の中で育まれた技術を継承し、生活の中に生きる陶器を作り続けています。緋色、ビードロ、焦げという景色は、技術者が窯の中で火がどう動くかを考え、品物に景色をつけていく過程で生まれた信楽焼の特徴です。現代の生活に寄り添いながらも、昔ながらの智慧と技術を大切にする窯元です。
菱三陶園
滋賀県・信楽
国内外で活躍する星つきレストランのシェフを顧客に持ち、一対一の関係を大切にした器づくりを提供する「菱三陶園」。斑点柄の風合いは”富士山の火山灰”を混ぜ込んだ灰釉を塗布して焼き上げ、一つとして同じ景色はありません。還元焼成にて高温で焼き上げるため、鏡面のような艶と硬質な素地が出来上がります。窯の中で火がどう動くかを考え、酸素量、湿度などを調整しながら、器に景色を出していく過程で生まれた、信楽焼の皿シリーズです。使い勝手の良い美しい形、そして料理が映える美しい色が特徴です。
池川木材工業
高知県・吾川郡
高知県と愛媛県の県境にあり、日本一の清流と言われる仁淀川のほど近くに位置する「池川木材工業」。山を豊かにすることは海を豊かにするという理念で、計画的に植林と間伐を行い、伐採した木材は少しも無駄にすることのないよう製品作りを続けています。山から切り出された貴重な檜は、無垢のまな板だけでなく、集成材としてはもちろん、通常製品として使わない芯の部分や硬い部分から抽出したエッセンシャルオイル、木端や木屑も燃料用のペレットとして活用されています。本来捨ててしまう樹皮を耳として活かすことによって、風合いを楽しんでいただけるまな板のデザインを実現しました。
小林メリヤス
山梨県・南アルプス市
昭和24年の創業以来ベビー&子ども向けのニットメーカーとして、ニットを作り続けてきた「小林メリヤス」。デザインを読み込むだけでエプロンが出来上がる”コンピューター成型編機”の画期的な製法により、従来型製造のデザイン〜機械で編み〜裁断〜縫製といった複数の工程を短縮し、カットロスを30%抑制、資源の節約を行う製法で作られたエプロンです。素材は、できる限り環境に配慮して育てられたコットンを使用し、電力は工場内の電力は再生可能エネルギーを導入。ニットの形状安定のための洗いにはアルプスの軟水を用いて仕上げ、収縮率も低く、優しい肌触りを味わうことができます。ニット素材は、軽く、遮光性も高く、身体の動きにしなやかにフィットして縦にも横にも伸縮するため、身体への負担も少ない、環境にも人にも優しいエプロンです。
近藤製作所
新潟県・燕三条
刃物の産地“三条”の歴史に培われた先人の知恵と技術を守り “五朗吉(ごろきち)”を屋号として堅牢性と耐久性を備えた品質の高い鍬 (くわ)を作る野鍛治として様々な鍛造を行ってきた近藤製作所。その技術は受け継がれてなんと150年。ひたすら鍬のみを作ってきた近藤製作所は、生活に密接する道具を作るプロフェッショナル。昔は農機具を作る代わりに農作物と物々交換をしていたと聞きました。そんな近藤製作所とともに開発したのが耐久性が高く、丈夫で長く使えるフライパンです。鉄の塊を真っ赤に熱しては叩き、また熱しては叩きを繰り返して整形して作り上げる鍛造技術はとても貴重な技術です。しなやかに強く叩くことで、丈夫で頑丈な鉄フライパンが出来上がります。強い火力にも耐えられるため、焚き火や炭火料理にも適しています。職人さんは、木炭の煤で真っ黒になりながら、今日も鉄を叩いています。
サミット工業株式会社
新潟県・燕三条
サミット工業株式会社は1919年創業の100年の歴史を誇る、プレス技術に長けた、鉄なべメーカーです。加工から出荷まで社内にて一貫した生産体制を行っています。さまざまなものづくりをしている中でも、代表的なのが鉄鍋です。サミット工業の作り出す鉄鍋は、日常生活の中にいかに寄り添っていけるかを考え抜き、使い心地の良さ、軽さ、丈夫さ、収納のしやすさなどキッチンに立つ人の気持ちを一番に考えたものづくりを行っています。スピン絞りという、各部の厚みが変えられる加工技術で作り出すフライパンは、薄さを実現しながらも、鉄の素材感を感じることができる質感を大切にしています。季節や気温と相談しながら、ものづくりを行う姿勢は、鉄素材の良さを最大限引き出すため。使えば使うほど味が出る鉄という素材と向き合う、工場です。
片岡製作所
新潟県・燕三条
ステンレス材料を主体とし、プロの料理人が使う業務用包丁を製造している、新潟県燕市の片岡製作所。 シェフや板前さんなど多くの食のプロの声に耳を傾け、徹底した機能性と耐久性の追求を行い包丁作りをしています。良く切れる包丁で調理した料理は美味しい、と言われますが、切れ味の良さと使い勝手の良さを持ち備えた片岡製作所の包丁は、包丁の設計そのものから、焼き入れ、冷まし方、刃付けから仕上げまで、細部の工程にこだわります。中でもしなやかで粘りのある切れ味を追求するため、火入れ、焼き入れ、冷却についてはじっくりとその日の気候と相談しながら行います。現在は世界中から呼び声がかかるプロ仕様の包丁を、数年かけて対話を重ね、家庭用の包丁として開発することが実現しました。