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JOURNAL

愛着を育む鍛造(たんぞう)フライパンの魅力

By 2024/05/21No Comments

見た目はクラシックでありながら、使い勝手は小回りがきいて、食材が美味しく焼ける。そんな鉄フライパンを作りたいと思い向かった先は、刃物の産地である新潟県の”三条”でした。

近藤製作所との出会い

野鍛冶(のかじ)として農具などの生活道具を作ったり修理するところからはじまり、三条で鍬(くわ)を専門に作ってきた近藤製作所。その技術は代々受け継がれて150年にも及びます。農作業に欠かすことのできない鍬は、地場の土や作物などの風土に合わせて、一つ一つ職人の手によって最適な形に作られてきました。素朴でありながら思わず手に取りたくなる、道具としての美しさを備える鍬に心惹かれ、日本の鍛治技術を用いたフライパンを作りたいと相談したことから、Homelandの鍛造フライパンが誕生しました。

鍛造フライパンができるまでのプロセス

鍛造フライパンは、一枚の鉄板から作られます。プレス機でできる限り薄く打ち伸ばした鉄板を、型抜きしたのち、石炭を焚き、その上で熱く熱した鉄を手作業で打ち叩いていくことで、フライパンの形へと形成していきます。鍛造で成形されたフライパンの形を研磨し、さらに美しく整えたあと、取手を取り付けます。そして、仕上げの焼き入れ。800度程度の高熱の釜にフライパンを入れて熱し、油、糠、水の順につけて表面温度を約200度で急激に冷却します。この工程により、表面に油膜が作られ、サビや焦げ付きから守るシーズニングが行われるのです。その後ゆっくりと冷却し、丁寧に研磨していきます。このような過程を経て、耐久性の強い丈夫なフライパンが完成します。ほとんどが手作業で、一つずつ職人の感覚で作られているからこそ、出来上がりの風合いに違いが現れます。

鍛造フライパンの使い勝手

私たちが作りたかったのは、毎日使い込める鉄のフライパン。アルミのフライパンのように、片手で振ったりできる軽さではありませんが、家庭・アウトドアの両方で使える厚さを追求し、取手を短めにしたことでボディと取手のバランス良く、持ち上げやすく設計しました。

素材の美味しさを引き出す道具

熱をしっかり蓄え、食材に熱をたっぷり伝えるので、炒め物はシャキッと、焼き物は香ばしく仕上がり、素材本来の美味しさを引き出してくれます。加熱をする前にキッチンペーパーで食用油をフライパンの表面全体に馴染ませ、弱火で加熱し、フライパンを温めてから食材を焼きはじめます。使用後はタワシで汚れを落とし、お湯で洗い流した後に、火にかけて水気を飛ばします。使用回数を重ねると、油膜が剥がれ焦げつきやすくなる場合があります。その際はキッチンペーパーで全体に油を軽く塗っておくと安心です。キッチンに吊るすなど、通気性の良いところで保管すれば、後片付けも簡単。

手作業の温かみを感じる、まるで絵本に出てくるようなフライパン。朝食の目玉焼きやパンケーキ、夕食のグリルに、毎日の生活に永く寄り添ってくれる料理の相棒を、取り入れてみませんか。